明治国家の悲願であった不平等条約改正問題に取り組んだ
金子堅太郎の国際場裡での活動を詳説した力作!


堀口 修(大正大学文学部教授) 編著
A5判並製カバー装
248頁
定価 4,400円(本体4,000円+税10%)
ISBN978-4-902416-28-2
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明治政府は、幕末・維新期に締結された欧米諸国との不平等条約を改正すべく全力を傾けて外交交渉に取り組んだ。そして、明治27年7月、日英通商航海条約を締結して国家の悲願ともいうべき治外法権の撤廃を実現するが、その背景に金子堅太郎の国際公法会や欧米の政治家・法学者を対象にした活躍のあったことが特筆される。
本書は、明治25年、スイスのジュネーブで開催された各国の著名な国際法学者で構成される国際公法会の総会において、金子堅太郎が日本の条約改正要求が正当なものであると訴えた時の経緯を詳細に検討し、条約改正問題を論ずる際に見落とされがちな、欧米各国政府の外交政策形成に多大な影響力を与えた当時の国際的な学会への働きかけを詳細に辿り、その成果を再評価しようとする意欲的試みである。
【金子堅太郎(かねこ・けんたろう)の略歴】
1853年生まれ。1874年(明治4年)福岡藩主に従い渡米、ハーバード大学で法学を修める。伊藤博文の下で井上毅・伊東巳代治とともに明治憲法起草に参画。その後伊藤博文に重用され、貴族院書記官長、第3次伊藤内閣農商務相、第4次伊藤内閣法相等を歴任した。米国には大統領はじめ政界にハーバード大学同窓の知己が多いことから、日露戦争の講和をめぐり米国に派遣され、事態収拾に尽力したことで夙に有名である。1942年歿。


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